「アサーション」という言葉は聞いたことありますか?
アサーションとは、相手を尊重しながら、言いたいことをしっかり伝えることができるコミュニケーション方法の一つです。
人間関係に悩む人の為に、心理療法として取り入れられたり、職場のビジネスマナー研修のテーマになったり注目されています。
今回はアサーティブコミュニケーションを知り、自己表現のコツを習得しましょう!
アサーティブコミュニケーションとは
アサーティブ(アサーション・アサーティブネス)とは「自己主張する」という意味です。
ただし、一方的に自己主張をするという意味ではなく、相手を尊重しながら自己表現を行うことを意味します。
つまり、アサーティブ・コミュニケーションとは、相手も自分も尊重しながら意見を交わしていくコミュニケーションスキルです。
このような場合にアサーティブコミュニケーションを取り入れると、相手の感情に配慮しながら、自分の意思をしっかり伝え、双方にとって納得のいく結論を出すことができます。
言いづらいことをスムーズに伝えて、円滑な人間関係を構築できるのです。
3つのコミュニケーションタイプ
コミュニケーションタイプには、下記の3つに分けられます。
- 攻撃的
- 非主張的
- アサーティブ
攻撃的
攻撃的な人のわかりやすい代表例は、ドラえもんに出てくる「ジャイアン」です。
いつも威張っていて、一方的に自己主張しているシーンが多いですよね。
「のび太のくせに生意気だ!」が口癖で、相手のことを大切にしようとしません。
非主張的
非主張的な人は「のび太くん」タイプです。
言いたいことがはっきり言えず、家に帰ってドラえもんに泣きついてますよね。
アニメなので、ドラえもんが力になってくれますが、現実の対人関係ではそうはいきません。
消極的で、我慢ばかりしていると、心がつらくなってしまいますね。
アサーティブ
アサーティブな人は「しずかちゃん」や「出木杉くん」タイプです。
伝えたい事はしっかり言ってますが、相手に不快感を与えません。
自分の相手も大切にしながら、正直に率直に伝えているからです。
さてあなたは、どのタイプになりそうですか?
もちろん好ましいのは、アサーティブタイプ(しずかちゃんや出木杉くん)です。
アサーティブマインド(心構え)は、
- 誠実であること
- 対等であること
- 率直であること
- 自己責任
事実をごまかしたり、自分を卑下したりしません。自他尊重の精神が大切です。
アサーティブ度チェックリスト
それでは「アサーティブ度チェックリスト」を活用して、あなた自身をチェックしてみましょう!
当てはまれば「〇」、当てはまらない場合は「×」でお答えください。
〇の数が、いくつあるか数えてみましょう。
いかがでしたか?
10個以上〇があったあなたは、アサーティブな人です。
〇が多かった方も、×が多かった遠慮がちな人も、今よりもっとスムーズに自己主張できるようにアサーショントレーニングをしてみませんか?
簡単な方法なので、下記を試してみましょう。
アサーティブトレーニングのコツ
自分の気持ちを明確にする
アサーティブに自己表現するためには、どう感じているのか、なにを伝えたいのか素直な気持ちと向き合います。
事実を述べる
そして、感情や意見を伝える前に、客観的事実、相手の言動を冷静に伝えます。
自分を主語にする
自分の感情や意見を伝え場合、自分のことなので「私」を主語にします。
「~された」や「あなたが」という言葉を使うと、被害者意識、人任せという印象を受けるので、自分事として、しっかり伝えます。
前向きな姿勢
相手にとって不利益なことを伝える時は、解決策を提案できると良いです。自分の思いを一方的に伝えるのではなく、相手によりそうポジティブな姿勢を見せましょう。
アイメッセージ
会話をする時には「私」を主語にして、自分の意見を伝えます。
下の例のように「あなたの意見は間違っています」と言われるとイラっとしますよね。
正論であっても不快に感じます。
しかし、「私はこういう考え方もできると思います」「私には〇〇のように見えます」と言い方を変えると、否定ではないので傷つきません。
特にビジネス、職場では「主体性」が求められます。
しっかり自分事として、自分の気持ちを伝える時は、「私」を主語にしましょう。
アイメッセージのアイは、「I(私は)」です。
DESK法でアサーショントレーニング!
DESCとは以下の4つのステップから成り立ちます。
頭文字を取ってDESCと呼ばれています。
- Describe(描写)… 事実を客観的に伝える
- Explanation(説明)… 自分の意見や気持ちを伝える
- Suggest(提案)… 相手へ解決策を提案する
- Choose(選択)… 他の選択肢や結果どうなるか伝える
まずは、客観的事実や相手の言動を冷静に伝えます。
次に相手の表情や態度を見ながら、自分の意見や気持ちをしっかりと伝えます。
問題がある場合は、解決策の提案を行い、前向きな姿勢を表現します。
他の選択肢や提案の結果どのような状態になるかを伝えます。
このように順を追って話せと、相手も理解しやすくなるでしょう。
DESK法の活用例
例えば、
このような場合の自己表現に当てはめると下記のようになります。
D(事実)⇒ 今日は大切な予定があり残業できません
E(気持ち)⇒ 上司の要望に応えたい気持ちはあります
S(解決策の提案)⇒ 翌日早朝出社することはできます
C(選択肢)⇒ 他に残業できそうな人を探します
アサーティブコミュニケーションで円滑な人間関係を築こう
アサーティブを実践すれば、人間関係やコミュニケーションで悩む場面が減ることでしょう。
コミュニケーションスキルを磨きながら、諦めずに勇気を持ってコミュニケーションを続けることが大切です。
そうすれば、きっと今より職場の対人関係が好転していくはずです。
変えるのは相手ではなく、自分自身!
わかってくれない上司や友人、人を変えるのは難しいですが、自分の自己表現方法を工夫することで、相手との関係性や職場の雰囲気が変わっていくのではないでしょうか。
就職活動、職場での対人関係で、ぜひご活用ください。